事業の広め方のヒントを、皮革関連事業の事業者からトークとワークショップ体験で学ぼうというテーマで、コラボ企画としては初めての「あさってのファッションとウェブの勉強会」を開催しました。そのレポートです。
2020年2月22日開催
トークとワークショップ体験でつかむ事業の広め方のヒント
〜 革のまち すみだ × あさってのファッションとウェブの勉強会 〜
NPO法人革のまち すみだ代表理事で、皮革塗料専門の会社、株式会社アイエスペイント 代表取締役の栁澤大輔さんと柏レザー株式会社 代表取締役の飯島暁史さんを登壇者としてお招きして、トーク、ディスカッション、ワークショップという内容で進行していきました。
栁澤さん、飯島さんからのトークを始める前に、登壇者も含めて、参加者みなさんで自己紹介をしました。事業を営んでいて、屋号がある方には、その屋号に込めた想いもお話しいただくなどして、初めて顔を合わせた間柄でも、リラックスした雰囲気で会が進行できました。今回は革製品を製作しているクリエイター、皮革関連事業の事業主、服飾関連の専門学校に通う学生など、関東在住の方だけでなく、中部地方からもご参加いただきました。
はじめに、栁澤さんに革のまち すみだの活動のことや、アイエスペイントのコンシューマー向け皮革塗料ブランド、「Lized(リゼッド)」の取り組みのお話しを伺いました。
アイエスペイントでは、従来は皮革塗料を国内外の事業者だけに販売していましたが、2年前からコンシューマー向けに「Lized(リゼッド)」として商品をラインナップして販売を開始しました。その立ち上げの経緯や事業戦略、「塗料を売る」という目的のために展示会やイベントで行なっているワークショップの取り組みや工夫のお話しなど、みなさんの参考になったようです。
栁澤さんはSNSやブログでの発信も定期的に行なっています。ブログでは、専門家だからこそ知っている、革塗料に関する知識や使い方を、親しみやすい言葉で記事にしています。過去の記事であってもアクセス数が多く、人気が高い記事もあるそうです。
次に、柏レザーの飯島さん。飯島さんの地元である千葉県で、ご当地レザーのブランドを立ち上げようと考えたきっかけから、「柏レザー」というネーミングになった経緯や、地域のブランド豚である「柏幻霜ポーク」を「KASHIWA LEATHER」へ結実させるまでの人との出会いやつながりのお話しも興味深いものでした。今年1月には、「食べて、旅して、感謝する」というコンセプトのカフェと物販のお店、PATH TRAVEL & EATSを柏市にオープンして、チャレンジを続けています。今回は製品にする前の柏レザーの革、柏レザーで作ったポーチなどもご持参いただいて、実際に手に取ってみることができました。
その後、お二人のお話しを受けてディスカッションをしました。
そのなかでは、害獣の皮の利活用の話題も出ました。日本各地で野生の鳥獣によって農作物が被害を受けているというニュースを見聞きします。鹿や猪、熊などを食する文化は日本にも古くからありますが、ジビエ料理として最近、人気を集めています。食肉として活用するだけでなく、皮を革にしたり、角や骨を活用してオブジェやアクセサリーにする取り組みのお話しが聞けました。
会の後半は、栁澤さんによるレザーメンテナンスワックスを作るワークショップでした。植物性油、ミツロウ、ソイ、シアバター、カルナバという天然素材だけを使って、ワックスでメンテナンスした後の仕上がりの違いや、使いごごちの好みに合わせて、ひとりずつ配合を変えて作りました。「どんな配合にするんですか?」といったように参加者同士も会話が弾むワークショップになりました。
ご参加いただきましたみなさまありがとうございました。
【登壇者のご紹介】
柏レザー
バッグ、革小物の販売とショップ
柏で育てた畜産で、皮から革へ。
当たり前の様に食卓に並ぶ豚肉。しかし、食す以外にも活用したい思いで、地元のブランドポーク「柏幻霜ポーク」から「KASHIWA LEATHER」が誕生しました。
http://kashiwaleather.jp/
https://www.instagram.com/kashiwa_leather/
Lized
皮革用塗料メーカー
皮革製造工場であるタンナーが使用する製品を、コンシューマー向けにラインナップしました。従来の汎用品とは異なる、色の配合を前提とした高濃度の製品です。
https://www.lized.jpn.com/about
https://www.instagram.com/lized_isp/
革のまち すみだ
NPO法人革のまち すみだは、地域社会との共存を図りつつ、皮革に関する教育事業や皮革産業の発展を推進する事業を 通じて社会的課題解決に寄与することを目的として活動しています。
https://kawanomachisumida.popup.tokyo