50回目となった「あさってのファッションとウェブの勉強会」のレポートです。今回のテーマは、「ブランドらしさと商品・サービス開発」でした。
事業を続けていくときには、時代や環境に合わせて、商品やサービスを継続的に開発して、改善したり、変化させていくことが必要です。ブランドビジネスにおいては、クリエイションとビジネスのバランスの取り方が肝になりますし、そこにブランドらしさが現れます。今回の勉強会には、洋服、革製品、アクセサリー、陶器、教育サービスを提供する方などがご参加くださいました。
商材は異なるものの、みなさん共通していたのは「これこそは!」と打ち出した商品が思いのほかヒットしなくて、意外な商品や思ってもいなかったポイントに注目や人気が集まるといったとき、どう受け止めるか、どう次につなげていくのか、ということでした。
売りたいものと売れるものにズレが生じたり、自分がつくりたいものと、お客様が求めるものが違い、思わぬところにお客様のニーズがあったときに、どのように折り合いをつけながらブランドらしさを保ちながら商品やサービス開発をしていくか。みなさんの経験や意見を聞きました。
参加者のお一人は、ハンドメイドのアクセサリーの販売とアクセサリーの作り方を学べるレッスンを主宰しています。
作り方を基礎からしっかり教えてあげたいという思いで運営する連続講座を基本としたレッスンをしていました。基礎から段階を踏んで学んで行くことで、ゆくゆくはご自身で工夫して、オリジナルデザインのアクセサリーも作れるようになることを目指します。その丁寧なカリキュラムを喜んでくださるぶお客様がいる一方で気づいたことは、初心者でも気軽に参加できて、簡単な作品をその日のうちに仕上げて持ち帰れるような、気楽な単発講座のニーズが多いとわかりました。
ブランドとお客様の関係や、ワークショップのあり方を検討したのちに、新たにそういったシンプルな講座もスタートしたそうです。ニーズや売り上げのために事業を変えるという単純な判断ではなくて、シンプルな講座であっても、自分たちのアクセサリーの技法や考え方を広めたり、お客様にハンドメイドの楽しさを伝えることに繋がり、さらには目指している事業の目的やお客様との関係性にもあっていると納得できたからこそ、新しいやり方を受け入れることができたということでした。
少人数では、どうしても考え方が偏ったり、同じことの繰り返しになりがちですが、経営的な視点、自分が事業で成し遂げたいこと、事業目的に立ち返って見つめてみることで、お客様のお声をはじめとした様々なヒントを取り込むことができるのではないかと思います。